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高校生にタイムスリップ!人生をやり直す小説が面白かった。

春から新社会人になった私。

入社した会社は17時キッカリに帰れる超ホワイト企業だった。学生の頃は「1日8時間も働くなんて無理」と、社会人になるのがイヤで堪らなかったけれど、実際なってみるとそう悪いものでもない。

とりあえず健康に生きていれば、毎月生活に困らないだけのお金が振り込まれてくる。明日の生活は保証されている。心は今までになく安定していると思う。ただ、何かが足りない…という感じはある。

ふとした瞬間に、社会人になると同時に置いてきた本当にやりたかった事が頭をかすめる。あの頃はお金がなくて、学校終わりに必死にライティングで稼いで、昼夜逆転して、「あぁ、お金ない」と言いながらカロリーメイトで空腹を紛らわしていた。今よりずっと生活水準が低かったけど、毎日楽しかった。

あの頃同じ夢を追っていた友達とは、ほとんど縁が切れているけれど、数人とやり取りする中で「今年も私はがんばってみるよ」「コロナで生活不安だけど、諦め切れないから実家には戻らない」なんて話を聞くと、心臓をギュッと濁り潰されたような感じになる。

世間一般の価値基準からすると、大学を卒業してまで定職につかず、夢を追うのはバカで、ちゃんと就職した私はマトモなのだろうけど、私は友達に嫉妬してしまう。

でも、私は社会のレールに乗ってしまった。もうあの頃には戻れない。このまま定年まで働いて、そして死ぬだけだ。そんな事を考えると、虚しくて、いたたまれなくなってくる。

 

……前置きが長くなってしまった。

そんな中、書店で「わたしの人生、これで良かったんだっけ?」の文字を見つけて、私は思わずこの本を手に取った。

今回は、垣谷美雨(かきやみう)さんの人生やり直し小説『リセット』の感想をお届けする。

 

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垣谷美雨『リセット』の感想【レビュー】

この物語は、中年女性が、30年前にタイムスリップして、高校3年生から人生をやり直す話だ。

「今の記憶を持ったまま、もう一回人生をやり直したい」というのは、誰もが一度は考える妄想だと思う。絶対にあり得ない話だけれど。

私は、おいおい、結局人間は若い頃に戻らないと人生の軌道修正はムリですよ ということか、と斜めに構えながら読み始めた。しかし、あっという間に物語に引き込まれ、「2周目の人生は成功するのか?」と、一気に読み切ってしまった。

特に専業主婦の知子という女性が、自分と似ていて共感した。

たとえば、次の一文なんかは「わかる!!」と思った。

知子は、調子を合わせないと悪いような気がして、つい同調してしまう。これが自分の悪いところなのだ、相手の気分を害さない事を何よりも優先してしまう。いつだって控えめな女を演じて、あとになって被害者意識を持つのだ。(p.132)

私も、常に周囲の目を気にして、あれよあれよという間に、自分の人生の主導権を他人に渡してしまうタイプだ。入る高校も、入る部活も、入る会社も、全部親の言いなりだった。一度反抗してみたけれど、結局、親を泣かせてまで自分の意見を押し通すほど私は強くなく、すぐに諦めてしまった。

自分さえ我慢すればいい…と諦めるのが癖になっている。自分の気持ちを押し込めて生きる…外面はいいけれど、内心ストレスは半端ない。納得したフリをして、心の中では「私が不幸せなのは〇〇のせいだ」と他人に責任をなすりつけるという、最低なやり方で発散することもしばしばだ。

知子の生きづらさは理解できるような気がしたし、夫婦関係や子育ての話が出てくると、「あぁ…自分も同じように悩みそうだ…」と思った。もちろん、知子が生きた、男尊女卑の残る時代からすると、今の私はよっぽど生きやすい世の中を生きているのだろうけれど…

そんな知子は、2周目の人生では「言うべきことは言う」と決める。

他人の顔色をうかがって行動したり、誰かの考えに従うのではなく、自分の頭で考え行動するようになった知子の未来は変わるのか…??とても興味深く、最後までページをめくる手が止まらなかった。

 

 

以下、ネタバレあり___________

最終的に、知子らは元の人生に戻ることを選ぶ。

せっかく人生をリセットしたのに、どうして・・・??という感じがあった。私なりに考えてみると、「結局どの人生も苦しいのね…」と、前向きな諦めがあったように思う。

いつだって隣の芝生は青く、他人の人生はいいところばかり見える。だから、「もしも子供がいたら…」「もしも結婚していたら…」という風に「もしも」の世界はいつも美化される。でも、彼女たちは2周目の人生で、すべてが理想的な生活なんて無いということを理解したのかもしれない。どこかにあると思っていた、正しい選択をした結果たどり着くはずの理想の人生が無いことに気づいて、だったら自分の人生の問題にちゃんと向き合わなきゃいけないと腹を据えたのかもしれない。

私が吸い寄せられた帯びに書いてあった、「わたしの人生、これで良かったんだっけ?」に関して、「全然良くない…」と過去の選択を後悔してないで、ちゃんと今できることを考えなさいという、そういう事だと思う。そういう説教臭さは全然無く読めたけど、1日置いて考えたら、そう感じた。

 

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まとめ

人生のリセットボタンを押したくなったときに、是非一度読んでみてはいかがでしょうか。

  • 総合評価:★★★★☆
  • 読みやすさ:非常に読みやすい
  • 後味:良い
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